忘れません。

1日の終わりに、
静かに、
1人の方のことを思っています。

 

何年前なのか忘れてしまいましたが、
東京のとあるホテルで行われた、
その美容家の講演会へ。

 

マニアックな話ですけれど、女性のメイク落とし、
当時、その方のお話の中に、発見があったのです。

 

遠くから見てもその方のお肌の美しさがわかりました。
白髪を生かしたヘアも素敵でしたが、何と言っても、
白く透き通ったモチモチのお肌が大変お綺麗でした。

 

 

どうしてモチモチ、という表現をするかといいますと、
最後に会場を回って下さったのですが、
実際にこの手で触れた記憶が残っているからです。

 

もちろん、コロナの状況ではありませんでしたので、
素手で、じかに、触れることができたわけですね。
(それでも会場でウエットティッシュが配られたような気がします・・・)

 

「ハーイさわっていいわよー」
と気軽な感じでニコニコ笑いながらその方に促され、
おずおずと、ほほに触れてみる会場の女性たち。
そして私。

 

今でも、この手に、感覚があります。

 

その方は、最愛のご主人を亡くされたあと、
涙が枯れることなく、何をする気にもなれず、
涙の塩害で肌がボロボロになってしまったこと、
その後、ご自分の経験を踏まえて、
美容家として活動されていること、
などなど。

 

 

モチモチのお肌、そして、それ以上に美しい、
しゃんとした背筋と、まっすぐな瞳も、
忘れません。

 

 

 

その方とは、佐伯チズさん、です。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)により亡くなられたことを知り、
記憶がよみがえりました。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。

 

 

 

 

たぶん15年くらい前の話です。
手の感覚ってすごいなぁ~
社交ダンスに生かされると良いのですが。